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先日、「目につくモノに興味を示す」という娘の習性に気づいたボクは
それを利用して、彼女がなかなか興味を示さなかったキックバイクにまたがらすことに成功した。

久々にキックバイクにまたがった娘は、ほんの数秒でグラグラ不安定なこの乗り物から興味を失ってしまった。
興味を失ったというより、どうしていいかわからなかったんだろう。
またがった、グラグラする、進めない、降りる。
至って自然なプロセスだ。

ふふふ、これでいい。
ボクにはとっておきの「策」があったのだ。

大学や専門学校で20歳前後の若者を教えていて培ったノウハウのひとつ、
必殺!「くりかえす」
僕たち大人でもそうだけど、なんでも繰り返すと結果につながる。
ウォーキングでも、カロリーコントロールでも、早起きでも、ペン字でも
繰り返すことで自分に変化を起こしてくれる。
ちなみに今挙げたモノはすべて最近自分で繰り返してみたもの。
もちろん効果あり。

ってことで、キックバイクを降りた娘にとって大切だったコトは
「明日もまた乗る」ってコト。それだけ。
そして、次の日もその次の日もボクは彼女の目に付くところにキックバイクを設置してから、
彼女を外に連れ出した。

・・・一週間後。

思ったよりずっと早くその時は訪れた。
グラグラを楽しみ、フラフラを怖がらず、ツイツイーと滑るように進む娘の姿。
揺れる、踏ん張る、片方だけ踏ん張ると反対に倒れる、後ろに蹴ると前に進む、足を離すと倒れそうになるが上手く乗れると足を離したまま進む・・
この数日でその身体には様々な経験が蓄積されたはずだ。
たいていの事は繰り返せば身体が無意識に覚える。

楽しくない事は続かない。
まず、楽しめるように工夫する。
楽しいから続く。
そうすると、しらないうちに「出来る」ようになる。
いや、コレほんと。

できない子供たちにガミガミ言う必要はない。
興味が向くように、仕向けて、続くように楽しませてあげたらいい。
そのための知恵を僕たち大人は持っている。

おしまい。

キックバイク すい〜